主のご命令で

ダビデは、息子アブサロムから逃れるために都エルサレムを脱出。
山頂を降りはじめた彼に、さまざまな出会いが待っていた。今週のダビデ王は・・?

【その1 「ダビデ、嘘をつかれるの巻 」(Ⅱサムエル記16:1~4)】

山頂を少し下ったときに、メフィボシェト(ダビデの親友・ヨナタンの息子)の従者のツィバが、パンやぶどう酒などの贈り物を、ダビデのために持って現れた。なんとありがたい!!しかし、これには、ツィバの下心が潜んでいた。ツィバはメフィボシェトがサウルの王朝を建て直すつもりという、ウソの情報をダビデに流した。ダビデは、ツィバの言ったウソをそのまんま信じてしまう。

【その2 「ダビデ、誹謗中傷の呪いを浴びるの巻」 (Ⅱサムエル記16:5~14)】

バリフムという土地で、サウル一族(ベニヤミン人)のシムイという男が、ダビデに呪いの言葉をかけながら現れた。わがサウル一族が滅びたのはダビデのせいであるという。その内容は事実無根のことでした。石を投げ、呪いながらついてくるシムイ。こわい。そしてうるさい・・

「アイツ、ちょっとうるさいんで、行って、首を切り落としてきましょうか」

と、部下のアビシャイが王に言いました。

しかし、ダビデは言いました。
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「ツェルヤの息子(アビシャイ)たちよ、ほうっておいてくれ。主がダビデを呪えとお命じになったのであの男は呪っているのだろうから、『どうしてそんなことをするのか』と誰が言えよう。」・・・
「わたしの身から出た子がわたしの命をねらっている。ましてこれはベニヤミン人だ。
勝手にさせておけ。主の御命令で呪っているのだ。
主がわたしの苦しみをご覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」(Ⅱサムエル記16:10,11)
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旅は道連れ。ダビデ一行は、
飛んでくる石と塵を浴びながら、
シムイと並走して山腹を進んだのでした。

~つづく~

ダビデは、呪いを受けていることさえも、

主がそれを許しておられることだ、と、

受け取ったのでした。

ダビデは、起こったことすべてを、主に委ねて進んで行くところに、

希望があると、信じたのです。

呪われた内容については、誤解もあるのですが、

シムイが、鬼の形相で投げてきた塵を浴びながら、

ダビデは、これまで自分の弱さが生んできたことを

思い返していたかもしれません。

しかしダビデは呪いを受けながら、

主のされることに従い続けた。

その呪いに代わって、主がくださる幸いの希望も、

ダビデは持ちつづけていたのです。

相手から無視され続ける、ののしられる。

こんなことが続くと、人はまいってしまいますが、

ダビデも、そして、イエスさまも、

同じように、

無視されたり、ののしられ続けたけれど、

自分から手を下すことなく、

すべてを神の裁きに委ねられた。

神さまは、苦しむひとりの人を見捨てておられない。

神さまの愛と感謝に満たされて、

すすんでいきましょう。

【今週のみ言葉】
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(キリストは)ののしられてもののしり返さず、
苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。
(Ⅰペテロ2:23)
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