地に足をつけた生活

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「兄弟たち、あなたがたに進めます。怠けている者たちを戒めなさい。気落ちしている者たちを励ましなさい。弱い者たちを助けなさい。すべての人に対して忍耐強く接しなさい。」(Ⅰテサロニケ5:14)
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パウロがテサロニケの教会に送った言葉であった。テサロニケ教会の人々はイエスの再臨を待ち望み未来に希望を持っていたが、待ち望み過ぎて現実を生きることを怠ける人々もいたのであった。パウロは、浮足立っているクリスチャンに、地に足をつけた生き方を勧めていた。

今回のメッセージの中で、バスケットボールチームのエピソードが出てきた。その日、TVをつけたらバスケットボールチームの特集があって、また別の時間にも、NBAの八村選手の名前を聞いた。なので、我が家の、バスケにまつわるエトセトラを書いてみようと思う。

私にはきょうだいが2人いる。どちらも妹。2人は小さい頃から10年以上に渡りバスケットボールを習っていた。平日は夜に週3回練習、土日は遠い地方に試合ばかりで、ほとんど家にいなかった。3姉妹なのだが、なんとなく、2:1(妹達:私)の図式になることが多かった。でも、そのことはあまりなんとも思っていなかった。少しの寂しさはあったけれど。

30年ほど過ぎた。わたしたちはそれぞれの場所で暮らしているが、たまに、最近推している音楽や本の内容をシェアする。その中に、妹達が2人ともお薦めしてくるマンガを紹介してもらった。タイトルと概要を聞いたとき、何か、今までにない思いが生じた。「あれ?わたしはお姉ちゃんだから、今まで2人を気にかけているつもりだったけれど、逆に、2人共に気にかけられているのかな?」と。お互いの思いに「ずれ」が見えた。

先週、それぞれの妹と、1対1で話す機会が与えられた。めったにない機会だった。彼女たちは・・苦しいバスケットボールの練習で培ったであろう「地に足をつけた考え」を持っていた。こういう瞬間に出会った時、周りが、クリスチャンであってもそうでなくても・・どんな状況の中にも、神が私たちを守り導いてくださっていると感じる。

末の妹は、高齢者介護施設で長年働いている。彼女は「利用者さんの余暇の過ごし方に関して・・自分が高齢者の立場になったと想像して、自分がやりたくないことは、その人たちにさせないようにしている」という考えを持っていた。最後にぽろっと「将来、私たちが利用者になった時には、本棚に『スラムダンク』を置いといてほしい・・そういう時代、来るんじゃないかな」と言った。将来に希望を持って生きる、ということを、ユーモアたっぷりに、神さまはあらわしてくださる方だと思う。

未来に希望を持って生きていきたい。