関係を築きながら
もうずいぶん昔の話。
入試の時、面接があった。
質問は忘れたが、
「人と人は、支え合って生きていると思います」
と答えたことを覚えている。
しかし若すぎた自分が、
その言葉の意味を十分理解して答えていたのかは疑問だ。
答案用紙に解答を書くように、
反射的に返答した言葉だったように思う。
***
ひとりであることは、悪いことではない。
しかし、人は、ずっとひとりでは、生きていけない。
そのことが分かるために、
ある日わたしは、
イエスさまに、出会ったのだと思う。
聖書の中でも、
イエスさまは、たくさんの人々に出会われた。
あるときはニコデモ(ヨハネ3章)に、あるときはサマリアの女(ヨハネ4章)に、
また、あるときは、ベトサダの池のそばで38年間横たわっていた病の人(ヨハネ5章)に出会い、ひとりひとりに心を寄せ、耳を傾けられた。
それぞれの人は、どんなに長い間苦しんできたことだろう。
どんなに口惜しい思いをしてきたことだろう。
誰にも理解してもらえない日を、たったひとりで過ごしてきたのだ。
そのひとりひとりの前に立ち止まり、
その人のことを、まるごと、救い主イエスは、受け止められた。
イエスは、相手の立場に立って、言葉にならない心の叫びを、聴きとられる方である。
窮地に立たされたとしても、わたしたちは、
ひとりぼっち(Loneliness)ではないことを知る必要がある。
主に出会ったわたしたちは、すでに、
癒しの時の中に生きていることをいつも心に留めていたい。
イエスさまがそれぞれの人にかけられたコトバをとおして、
今の私たちが、人と関わる時に、どのように関わっていけば良いかを、考えさせられる。
イエスさまが、助けを求めている人々に関わられたように、
相手に思いやりをもって、歩んでいきたい。
ひとり(Solitude)の時間も、
みんなと過ごす時間も、
大切にしていけたらいいな。
【今週のみ言葉】
「いかに幸いなことでしょう、弱いものに思いやりのある人は。災いのふりかかる時、主はその人を逃れさせて下さいます。」(詩篇41:2)