成長する種
天の国って、どんなところ?
それを「成長する種」にたとえて、イエスさまが残しておられる。
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イエスは、別のたとえを持ち出して、彼らに言われた。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる。」
また、別のたとえをお話しになった。「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」(マタイ13:31~33)
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小さいものが大きく成長するところが、この2つの種の共通点である。
☆「からし種」について。
からし種の木は、4,5メートルほどで、大きすぎない。旧約の時代、エジプトの王パロの繁栄を現した全長何十メートルのレバノン杉のような、圧倒的な高さではない。その昔、レバノン杉・・高慢になったパロは神の裁きによりバビロンに倒されて、打ち砕かれたが・・。
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彼の倒された幹には、空のすべての鳥が住み、若枝のもとには、野のすべての獣がやどる。(エゼキエル31:13)
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砕かれたものの後に、集まるものがある。天国とは、からし種のような、決して高すぎない、謙遜な人たちが集まっている。高慢な気持ちはいらないところ。
- 成長をとおして、教えられることは?
ある日、末の子どもが、
「ママ、たまご焼き、自分で焼いてみたい」と言った。ああ、あんなに小さかった子が、たまご焼きを作りたいって言うようになったんだ、とうれしくなる。また、家の外で、ひさしぶりに出会った子ども達の成長もうれしくなる。「みんな、大きくなったね」と、声を掛け合う。大人だって、成長する。小さな種の集まり。いっしょに成長を喜び合いたい。
☆「パン種」について
今は、全自動パン製造機で寝てる間にパンが焼ける。イースト菌もしっかり入れて、生地がふんわり膨らむ。酵母抜きでは・・わたしは作ったことはない。だって、すごく、生地が小さいから。小さいパンが出来たら、なんか、悲しいじゃんか・・。
「3サトンの粉」は、40~50リットルだそうで、小麦粉の重さにしたら約20~30キロだった。昔、ドーナツ屋で働いていた頃、納品されていたドーナツミックス粉は、20~25キロ単位。すごく重かった。大量の粉に、すこしのパン種。たくさんのパンが、みんなに行きわたることだろう。
聖書の中では「パン種」って、いいイメージではなかった。過越の祭りの後に行われる祭りは除酵祭といって、種なしパンの祭りであった。だから、イエスさまは、天の国を「パン種」に似ていると言われたのも、その時は、ずいぶん衝撃発言だったかと思う。
多くの人から疎外された人たち・・そんな小さなパン種のような人たちが、周りに、よい影響をあらわしていく。天の国は、そのようなところであると、イエスさまは言われます。
「種」にまつわることで思い出す御言葉。
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涙をもって種まく者は、喜びの声をもって刈り取る。
種を携え、涙を流して出ていく者は、束を携え、喜びの声をあげて帰ってくるであろう。(詩篇126:5,6)
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「種」は蒔かねば始まらない。パンにも入れなければ、ふくらまない。種まきすることが、難しいような、そんな状況もあるだろう。そんな時、「蒔く者は、喜びの声をあげて帰ってくる」ことを信じて、今週も歩んでいこう。