回復への道

創世記の後半に登場するヨセフは、10人の兄たちとの人間関係で苦しんだ。かつて兄たちは、父ヤコブに偏愛されていた弟ヨセフを憎み、結託してヨセフをエジプトに奴隷として売り飛ばしたのだ。時を経て、エジプトの大臣となったヨセフは、長年にわたる飢饉がきっかけで兄弟や父と再会を果たす。和解したものの、父ヤコブが死ぬと、再び兄たちはヨセフを恐れた。彼らの罪の意識は、まだ消えていなかったのだ。兄たちがヨセフの赦しを得たいと懇願していることを、人を介して聴いたヨセフは涙を流した。

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ヨセフは兄たちに言った。「恐れることはありません。わたしが神に代わることができましょうか。あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです。(創世記50:19,20)
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ヨセフは、神さまだけが、罪の裁きをされる方で、人の悪いたくらみさえも用いて、その御業をされるお方だと、兄たちに告げた。そして、彼らを赦した。

2000年前には、
神の子イエスを十字架につけるという、人間のたくらみがあった。
イエスさまは、その十字架の死からよみがえり、
全ての人間の罪を、救いへと変えられた。

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天が地よりも高いように
主の慈しみは主を畏れる者をはるかにしのぐ。
東が西から遠いように
主は私たちの背きの罪を遠ざける。
(詩篇103:11,12)
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主が私たちに注ぐ愛は、なんと大きいことだろう。
ヨセフの兄たちは、自分たちが思っている以上に、
神の慈しみの中にあったのだと思う。
そして、神は、その救いにより、
罪から離してくださった。
遠く遠く、
東が西から最も離れているほどに。

辛い経験が、心の中で疼く時があるかと思う。
でも、神さまは、ひとりの人を救いに導くために、
悪をも善へと変えられる方だ。
人をとても愛しておられる神さまは、
人に、罪の赦しを与えたいと、回復を願っておられる。

神の子イエスさまは、
罪のために自責の念がある人や罪人と呼ばれていた人に、
罪の赦しを宣言された。
この方に信頼して、身を委ねて、
今日も、すすんで行こう。